日常の生活空間で多くの人が抱くのが、「階段でスカートが揺れて下着が見えてしまった」「胸元の開いた服を着ていて下着のストラップや一部が見えた」といった事例が違法に問われるのかという不安です。
刑事法における鉄則は「過失犯処罰の例外性(刑法38条1項)」です。罪を犯す意思(故意)がない行為は、法律に特別の規定がない限り罰せられません。公然わいせつ罪にも軽犯罪法第1条20号にも過失を処罰する規定は存在しないため、突風で服がめくれたり、荷物を持ち上げた際に偶然下着が見えたりした「チラ見え」について、警察が逮捕・起訴することは法理上あり得ません。
一方で、現場の捜査機関が厳格に見極めるのは外形的な状況証拠から推認される故意の有無です。
例えば、周囲に人がいることを確認した上で自らスカートやズボンを引き下げている、下着が見える体勢を意図的に維持しスマートフォンで自撮りを行っている、といった状況が防犯カメラや目撃証言によって確認されれば、「過失ではなく未必の故意による露出行為」と判断されます。「見せるつもりはなかった」と口頭で弁解しても、現場の客観的行動がそれを覆す有力な証拠となるため、通用しません。