小説『国宝』藤駒のその後と結末|喜久雄との愛憎と娘の真相

小説『国宝』藤駒のその後と結末|喜久雄との愛憎と娘の真相

小説『国宝』藤駒のその後と結末|喜久雄との愛憎と娘の真相にまつわる最新トピックを分かりやすく発信ます。

主人公・喜久雄の激動の人生を取り巻いた重要人物たちは、それぞれどのような運命を辿ったのか。藤駒をはじめとする主要登場人物たちの結末と境地を比較整理しました。

登場人物名作中の結末・その後の動向梨園・社会通念上の見立て編集部の文学的評価藤駒(ふじこま)芸妓を引退し娘を極秘裏に育てる。晩年は病に倒れるも喜久雄の魂の拠り所として生涯を全う。不遇な日陰の愛人・私生児の母自らの選択で天才を完成させた「真の伴走者」春江(はるえ)喜久雄への想いを封印し御曹司・俊介に嫁ぐ。俊介の死後も梨園の重鎮の妻として家を守り抜く。名門歌舞伎座を背負う立派な極道の娘・梨園の母愛よりも「家」と「舞台」を選び取った現実の守護神徳次(とくじ)喜久雄の幼馴染として極道社会に身を投じる。喜久雄の光を守るため影の泥を被り、悲劇的末路を遂げる。裏社会で散った無頼漢喜久雄の純粋性を守るために命を捧げた「もう一人の半身」大垣俊介(俊ぼん)名門の血筋に苦しみ、一度は舞台を捨てるも復帰。病に倒れ喜久雄に後を託して早世する。早世した歌舞伎界の正統後継者血の呪縛と芸の天秤に引き裂かれた永遠のライバル立花喜久雄身近な人々を次々と見送り、人間関係のすべてを芸に昇華して「人間国宝」の頂点へ到達。戦後歌舞伎の最高峰・人間国宝神の領域に立つ代償に現世の幸福をすべて捧げた孤高の怪物

この対比表が示す通り、喜久雄の人生に関わった人間はみな、彼の「芸」という巨大な渦に巻き込まれ、自らの人生を削り取られていきました。そのなかで藤駒だけは、巻き込まれた被害者ではなく「自ら好んでその渦に飛び込み、溺れずに愛し抜いた」異質の強さを持っていたことが分かります。

吉田 誠
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吉田 誠

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