『狂四郎2030』トラウマ「カレー回」のその後と結末|真相を徹底解剖

『狂四郎2030』トラウマ「カレー回」のその後と結末|真相を徹底解剖

『狂四郎2030』トラウマ「カレー回」のその後と結末|真相を徹底解剖の全体像を詳しく解説してご紹介します。

読者の記憶に深く刻み込まれている通称「カレー回」が描かれたのは、単行本第4巻(第35話「オアシス農場」〜第37話周辺)です。物語の序盤、主人公の神崎狂四郎がバーチャル空間で心を通わせた運命の女性・志乃を救い出すため、荒廃した関東平野を進む中で立ち寄った強制収容施設「オアシス農場」が舞台となります。

オアシス農場は、政府に逆らった反乱分子や遺伝子選別によって「劣等種」と判定された市民を過酷な肉体労働に従事させる強制労働所でした。配給される食料は家畜以下で、飢餓と病が蔓延する地獄のような環境下、ある日突然、管理官から「労働意欲を高めるための特別な施し」として、大鍋で煮込まれた肉入りカレーが振る舞われます。

何年もまともな肉を口にしていなかった収容者たちは、「肉が入っている!」「美味い!」と歓喜し、涙を流しながら貪り食いました。読者が凄惨な狂気を感じるのはその直後です。貪り食う市民たちを嘲笑いながら、管理側が言い放った言葉によって空気が凍りつきます。そのカレーの具材は、前日に逆らい処刑された仲間の肉(人肉)だったのです。

事実を知った人々は激しい嘔吐と自己嫌悪に苛まれ、精神を完全に破壊されます。単なる肉体的拷問にとどまらず、「知らぬ間に同胞を喰らってしまった」という拭い去れない罪悪感を植え付ける支配階級のサディズムは、徳弘正也が描くディストピアの徹底的な冷酷さを象徴する場面となりました。

橋本 菜々子
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橋本 菜々子

グルメと旅を愛するフリーライター。全国各地の隠れた魅力を独自の視点から紹介します。