日本人が古いホテルや旅館に対して抱く一種の恐怖心は、昭和から平成にかけて醸成された和製ホラーの文化と深く結びついている。怪談界の巨匠・稲川淳二が語るような「寂れた温泉街のホテルで起きる奇妙な一夜」の構図は、私たちの潜在意識に強く刷り込まれている。
さらに、伝説的ホラービデオ作品『ほんとにあった!呪いのビデオ』シリーズに登場するような、画質の荒い監視カメラ映像や旅先の宿で撮影された不可解な映像表現は、現代の私たちが持つ「ホラー・オカルト」の美学そのものだ。ホテルニューさくらを巡る噂も、こうしたJホラーの文脈に乗せられることで、より一層リアリティを持った都市伝説として消費されていくのである。