創業者である本田宗一郎が掲げた「技術は人のためにある」という思想は、日常の使い勝手を極限まで高めたHondaスマートキーシステムにも脈々と受け継がれている。ポケットやバッグにキーを入れたまま近づくだけで解錠し、離れれば自動で施錠されるスマートエントリーは、日々の移動を劇劇的に快適なものへと変えた。
しかし、利便性の裏側には常に過酷な車載環境と誤作動への対峙があった。真夏の炎天下でダッシュボードが高温になろうと、厳冬期の降雪地帯で氷点下に晒されようと、強固な暗号化通信を維持しつつイモビライザーと連携して車両盗難を完全に防ぐ。本田技研工業のエンジニアたちは、万が一内部電源が完全に干からびた極限状態にあっても、ドライバーが決して立ち往生しないようアナログなメカニカルキーと電磁誘導チップの二重セーフティネットを頑なに守り続けている。