アイドルカルチャーとファッションビジネスの境界線を鮮やかに壊した決定打といえば、2013年に発表された小嶋陽菜とピーチ・ジョン(PEACH JOHN)の大型コラボレーションです。当時、現役のトップアイドルが大手下着メーカーのメインビジュアルおよび歴代AKB下着CMとしてテレビや街頭広告ジャックを展開した出来事は、エンタメ界全体に大きな衝撃を与えました。
小嶋陽菜が提示した「マシュマロボディ」と称される健康的で柔らかなプロポーションは、従来の男性ファン向けグラビアとは一線を画すものでした。洗練されたビジュアルディレクションとファッション誌さながらのカットは、20代〜30代女性の美のアイコンとしての地位を一気に確立させます。これが契機となり、アイドルが下着モデルを務めることはネガティブなスキャンダリズムではなく、同性ファンの支持を集めるトップアイコンの証という新たな価値基準が完成しました。