大相撲の歴史において、これほどまでの長期間にわたり特定の地域出身者が頂点を独占し続けた例はない。彼らはなぜ勝てるのか。その根底には、幼少期からモンゴル相撲(ブフ)で培われた足腰の強靭さと、無差別級の過酷な闘いに晒されて培われた野生的な勝負勘がある。
だが、理由は身体能力にとどまらない。角界関係者が口を揃えるのは、背水の陣で海を渡ってきたハングリー精神の違いだ。故郷の家族の期待を背負い、言葉も文化も異なる異国の地に飛び込む覚悟は、日々の過酷な稽古への取り組み方にそのまま表れる。
一方で、伝統を重んじる日本相撲協会との間には、時に価値観の違いによる歪みや議論が生じてきた。年寄株の取得問題や部屋の運営を巡る内部の引きつれは、スポーツ新聞や週刊誌の紙面を賑わす格好の題材となってきた。親方衆の間で囁かれる本音と建前、そして角界の近代化を目指す勢力と伝統保守派の対立など、土俵の裏側で繰り広げられるドラマもまた、彼らの存在抜きには語れない。