指導者として数々の栄冠を手にしてきたロバーツ監督ですが、現役時代の経歴もまた劇的なドラマに満ちています。UCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)で外野手として活躍後、1994年のドラフトでプロ入り。1999年にクリーブランド・インディアンスでメジャーデビューを果たしました。
俊足好打の外野手としてロサンゼルス・ドジャース(2002〜2004年)などでレギュラーを務め、メジャー通算10年間で832試合に出場、打率.266、243盗塁という確かな足跡を残しています。中でもMLB史に永遠に刻まれているのが、ボストン・レッドソックス時代の2004年ア・リーグ優勝決定シリーズ(ALCS)第4戦で見せた「奇跡の盗塁(The Steal)」です。
宿敵ニューヨーク・ヤンキースに3連敗を喫し、9回裏1点ビハインドという絶体絶命の局面で代走として登場したロバーツ選手は、稀代の守護神マリアノ・リベラ投手から果敢に二塁盗塁を成功。この劇的なプレーを口火にチームは同点に追いつき、大逆転でワールドシリーズ制覇を達成して86年間続いた「バンビーノの呪い」を解き放ちました。極限のプレッシャー下で一瞬の勝機を逃さなかった勝負勘は、現在の采配にも色濃く受け継がれています。