一般に「東大の門=赤門」というイメージが強烈に定着していますが、実は赤門は東京大学の「正門」ではありません。来訪者の多くが混同しがちな2つの門には、明確な歴史と役割の違いがあります。
東京大学の本来の「正門」は、赤門から本郷通りを北へ約200メートル進んだ場所に位置しています。正門は明治45年(1912年)に完成したもので、築地本願寺や湯島聖堂の設計でも知られる近代建築の巨匠・伊東忠太が設計を手がけました。鉄骨造の重厚な門扉と、和洋折衷の洗練されたデザインが特徴です。
一方の赤門は、敷地の南西側に位置する旧加賀藩屋敷の遺構です。江戸の歴史を象徴する赤門と、近代日本の学術黎明期を象徴する正門。本郷キャンパスには異なる時代を代表する2つの名門が並び立っており、そのコントラストもまた東大ならではの魅力といえます。