初穂料を包む外袋(上包み)と中袋(中包み)には、古くから定められた記載ルールが存在します。筆記具は、筆ペンまたは濃い黒墨の毛筆を使用するのが正式です。薄墨は香典などの弔事用であるため絶対に使用してはなりません。万年筆やボールペンは略式と見なされるため極力避けましょう。
表書きの上段と下段:夫婦連名表書きルールの基本
のし袋または白封筒の表面、水引の上段中央には「御初穂料」(お寺の場合は「御祈祷料」)と楷書で明瞭に書きます。水引の下段には、祈祷を受ける主体の氏名を記します。
ここで議論になりやすいのが、名前を「夫単独」にするか「夫婦連名」にするかという点です。神道において祈願の代表者は戸主である夫の名をフルネームで中央に書くのが伝統的な作法でした。しかし現在では、出産という大業を成し遂げる妻への敬意を込め、夫婦連名表書きルールを取り入れる家庭が過半数を占めています。
夫婦連名で記載する場合、中央に夫のフルネームを書き、その左隣に妻の「名前のみ」を並べて記載します。こうすることで、母子の安全を夫婦一体となって祈る意思が表現され、神社の受付でも妊婦の名前の読み間違いを防ぐ実務上のメリットがあります。
中袋金額書き方大字(旧字体)の正確な記入法
中袋の表面中央には、包んだ金額を記載します。この際、数字の改ざんを防ぐ伝統的な知恵として「大字(だいじ)」と呼ばれる漢数字の旧字体を使用するのが正式マナーです。
中袋の裏面左側には、奉納者の郵便番号、現住所、氏名(表書きと同じ氏名)を縦書きで明記します。神社側では祈祷帳への記帳や神札の発送管理を行うため、住所や氏名が正確に書かれていることは実務上極めて大切です。
中袋なし封筒の対処法
市販の安価なのし袋や略式の白封筒を購入した場合、中袋(内袋)が付属していないことがあります。「中袋がないと無作法になるのでは」と焦る必要はありません。中袋なし封筒の対処法は極めてシンプルです。
中袋がない封筒を使用する場合は、外袋の裏面を活用します。封筒の裏面左下に、右側から「包んだ金額(金 伍仟圓など)」を書き、その左隣に「郵便番号、住所、氏名」を直接墨書きしてください。表面の水引下段には通常通り氏名を記入すれば、何ら問題なく正式な奉納袋として通用します。