1980年代半ば、徳間書店から刊行された『アニメージュ』の特集号や初期設定資料集を紐解くと、このゴリアテ崩壊シーンの画コンテには、初期段階から宮崎監督の細やかな演出メモが書き込まれていたことがわかる。
当初の構想では、ゴリアテとラピュタ側の攻防はもう少し長く描かれる予定もあったという。しかし、作画のテンポと物語の緊迫感を極限まで高めるため、ロボット兵の光線が一瞬でゴリアテの浮力タンクと主構造を焼き切るスピード感あふれるカットへと変更された。制作スタジオの現場では、炎の透過光処理や爆煙のアニメーションに膨大な時間が費やされ、画面上のわずか数秒の破壊劇にアニメーターたちの血と汗が注がれた。ドーラの一言は、作画陣の圧巻の仕事量に対する感嘆の声としても聞こえてきそうである。