岩屋氏の政治キャリアにおいて、今なお激しい議論を呼んでいるのが2018年12月に発生した韓国海軍艦艇による自衛隊機への火器管制レーダー照射問題です。
当時、防衛大臣だった岩屋氏は、事実関係を迅速に公表し、韓国側に厳重抗議を行いました。防衛省として照射事案の映像や探知音などの証拠データを公開し、韓国側の主張の矛盾を突く情報戦を指揮した実績は、初期対応として高く評価されました。
しかし、翌2019年にシンガポールで開催されたアジア安全保障会議(シャングリラ会合)において、韓国の国防相と笑顔で握手・会談を行った場面が報道されると、風向きが一変します。保守派議員やネット世論から「現場の自衛官が命の危険にさらされた事案に対して甘すぎる対応だ」「毅然とした制裁を科すべき局面で妥協した」と猛烈な批判を浴びることになりました。
この出来事について岩屋氏側は、「日韓の防衛当局間の対話を完全に断絶させることは地域の安全保障上マイナスであり、再発防止と国益を最優先した結果」と説明しています。しかし、感情的な対立を抑えて実務的解決を図ろうとした姿勢が、結果として「弱腰」という強固なレッテルを生む要因となりました。