SNSや一部の美容情報サイトにおいて、「外出前にUVケア目薬を点眼すれば、瞳の日焼けをブロックできる」といった誤った言説が散見されます。しかし、医薬品の薬理作用として、目薬で紫外線の侵入そのものを物理的に遮断することは不可能です。
日焼け止めクリームのように肌表面に紫外線を散乱・吸収する被膜を作る仕組みとは異なり、点眼薬は涙液によって数分から十数分程度で涙道へと洗い流されてしまいます。紫外線吸収剤を目に直接入れることは生体適合性の観点からも許容されていません。市販の「紫外線対策目薬」と銘打たれた製品の本当の役割は、紫外線防御ではなく、「紫外線を浴びて傷ついた細胞を修復し、二次的な炎症反応を迅速に鎮静化させる事後トリートメント」に特化しています。
外出時の紫外線防御は、UV400カット機能を備えたサングラスやUVカットコンタクトレンズ、つばの広い帽子で行うのが鉄則です。市販目薬は、その物理的防御をすり抜けて受けてしまった紫外線ダメージを速やかに回復させるための「アフターケアツール」として位置づけるのが、正しい医学的アプローチです。