なぜ実力伯仲のトップ選手同士の間で勝敗が分かれたのか。今大会の激闘を深く分析すると、勝者と敗者を分けた3つの決定的な戦術的ポイントが浮かび上がってきます。
第1の要因は、「胸元・至近距離での的確なポジショニングと打撃精度」です。フルコンタクト空手特有の接近戦において、単に力任せに突きを連打するのではなく、わずかな角度の変化(サイドステップやサバキ)で相手の威力を殺しつつ、自身の有効打をクリーンヒットさせた選手が主導権を握りました。
第2の要因は、「試合終盤ラスト30秒における爆発的な手数とスタミナ配分」です。本戦・延長戦ともに、残り時間が少なくなった場面でガードを下げず、下段廻し蹴りや膝蹴りを的確にまとめ上げた選手が、審判団の旗を引き寄せる決定打となりました。
第3の要因は、「反則を取られない高度なクリーンファイト技術」です。掴みや押し、顔面殴打に対する厳格なペナルティ基準に対し、冷静に間合いをコントロールし続けた精神的スタビリティが、勝敗の分水嶺となったことは間違いありません。