Netflixなどの配信コンテンツを通じて、ドーシャ体質診断(ヴァータ・ピッタ・カパの3要素による分類)は洗練されたセルフケアツールとして世界的なブームを巻き起こした。しかし、雑誌のチェックシートや数分のアプリ診断で行う自己分析には、極めて深刻な落とし穴が存在する。
本来の体質(プラクリティ)と、現在のアンバランスな状態(ヴィクリティ)は厳格に区別されなければならない。素人判断で「私は冷え性だからヴァータ」と決めつけ、誤った温熱療法や食事制限を強行した結果、体内のピッタ(火のエネルギー)を異常燃焼させて自律神経失調を招くケースが多発している。
世界保健機関(WHO)が伝統医療戦略の中で標準化を推進し、インド政府AYUSH省が厳正な資格認定を設けている理由はここにある。アーユルヴェーダはカジュアルな性格診断テストではなく、病理を読み解く精密な医学体系なのだ。