赤本を開き、「この学部の合格最低点は210点/300点(得点率70%)だから、各科目7割を取れば受かる」と計算している受験生は、今すぐその認識を改める必要があります。結論から言えば、近畿大学の一般入試で公表されている合格最低点は素点(自己採点の実得点)ではなく、科目間格差を是正するための「得点調整」が施された後の最終数値です。
近畿大学の文系学部における一般入試では、国語・英語・選択科目(地歴・公民・数学から1科目)の3教科300点満点が基本設計となっています。ここで問題となるのが、選択科目ごとの難易度のばらつきです。ある日程で日本史が極端に難しく、世界史や政治経済が平易だった場合、素点のまま合否判定を行うと不公平が生じます。この不平等を是正するために導入されているのが「中央値補正方式」などの標準化の手法です。
この仕組みの恐ろしいところは、「平均点や中央値が高かった科目は、素点から大幅に点数が差し引かれる」点にあります。予備校関係者の試算や過年度の開示データによれば、選択科目で80点(100点満点)を獲得していたとしても、全体の中央値が高かった場合、調整後に60点台前半まで15〜20点近く削られるケースが珍しくありません。
つまり、公表されている合格最低点が「200点(約66.7%)」と記されていたとしても、素点で200点を取った受験生は、選択科目の下方修正によって180点台まで叩き落とされ、不合格通知を受け取ることになります。素点換算で安全圏に到達するためには、「公表最低点+15〜25点(得点率にして73%〜78%)」をコンスタントに叩き出す実力が求められます。