江戸時代初期の大剣豪・宮本武蔵は、その生涯をかけた集大成である兵法書『五輪書』の最終章を「空の巻」で締めくくっています。武蔵が説いたのは、技や戦術を極限まで鍛え抜いた先に訪れる、一切の迷いや雑念が消え失せた境地でした。
相手を倒そうとする我欲や恐怖心に心が囚われていると、太刀の動きは鈍り、一瞬の隙を見落とします。武蔵は「心をどこか一箇所に留めず、全体を鏡のように映し出すこと」の重要性を説きました。この教えは、プレッシャーのかかるビジネスのプレゼンやスポーツの勝負所でもそのまま役立ちます。「作為を捨て、無心で目の前の事象に対処するメンタル」を保つことで、本来持っている実力を遺憾なく発揮できるのです。