日本の住まいにおいて、北欧テイストを取り入れようとして失敗する最大の原因は「色の氾濫」と「明かりの単調さ」にある。部屋を劇的に垢抜けさせるプロの黄金比率は、ベースカラー70%、アソートカラー25%、アクセントカラー5%の構成だ。白やナチュラルウッドを基調にしつつ、グレーやベージュの中間色で全体を包み込み、マリメッコ(Marimekko)のクッションやアートピースをわずか5%の差し色として投入する。この引き算のバランスが、空間に凛とした秩序を与える。
さらに決定的なのが照明計画だ。日本の住宅に多い天井中央のシーリングライト一灯主義を捨て、低めの位置にフロアランプやテーブルスタンドを複数分散させる。光の溜まり場を部屋の隅々に点在させることで、奥行きと陰影が劇的に生まれ、同じ平米数とは思えないほどの立体感が立ち上がる。失敗しない家具選びの極意は、床面をできる限り見せること。脚付きのローボードや細身のスチール脚を持つソファを選ぶだけで、視線が抜け、空間は驚くほど軽やかになる。