野村萬斎の活躍は舞台だけに留まらない。映画『陰陽師』での安倍晴明役はハマリ役として日本中を魅了し、劇中での圧倒的な舞と存在感は今なお語り継がれている。さらに、特撮映画『シン・ゴジラ』ではモーションキャプチャアクターとしてゴジラの動きを担当するなど、前例のない挑戦を次々と成功させてきた。
NHKの番組出演や多忙な舞台公演が重なり、心身ともに極限状態にある夫を家庭で迎えたのは千加子夫人だった。家庭を「最もリラックスできる静寂の場」として維持し続けた彼女の献身があったからこそ、萬斎は常に挑戦的な役柄に果敢に挑むことができたのだ。