うつむき加減に咲く姿から連想される「清純な心」や、意を決して想いを打ち明ける情景をなぞった「告白」。この植物に添えられた代表的な花言葉には、甘美な響きとは裏腹に、胸を締め付ける悲しい伝承が刻まれている。韓国や東アジアに伝わる古い民話では、三人の娘を嫁に出した貧しい老母が、冷遇された末に末娘の家を目指す雪道で力尽き、倒れた場所に咲いた花こそがオキナグサであったとされる。
白髪を思わせる種子の綿毛は、我が子を思いながら息絶えた母親の悲嘆そのものだ。花弁を開き切らず、地面を見つめるように咲く独特の姿は、母の悔恨と無償の愛の象徴なのだという。「告白」という言葉の裏にも、生前に伝えることができなかった感謝や未練といった、戻らない時間への慟哭が込められている。表層的な華やかさとは対極にあるこの物語を知るとき、揺れる紫の花弁は一変して哀切を帯びた表情を見せる。