胃腸の不快感を解消しようと、健康情報サイトやSNSの助言を実践した結果、かえって症状を悪化させてしまうケースが急増しています。代表的な3つの誤解を是正しなければ、どれほど優れた養生法を取り入れても効果は望めません。
第一の盲点は、「胃腸に良いから」と不溶性食物繊維(根菜類、玄米、豆類など)を無理に大量摂取する行為です。便秘解消やデトックスを狙って繊維質の多い硬い食材を詰め込むと、弱った胃粘膜を機械的に刺激し、消化に長時間を要するため胃もたれを極度に悪化させます。弱った腸にとっては分解不能な残渣が異常発酵を起こし、下痢や強烈な腹部膨満感を招く主因となります。
第二に挙げられるのは、胃酸分泌抑制薬(プロトンポンプ阻害薬やH2ブロッカー)の安易な長期常用です。一時的な胃酸過多や胸やけには目覚ましい効果を発揮する一方、自己判断で何ヶ月も連用すると、胃内の強酸環境が失われます。その結果、細菌の侵入を防ぐ殺菌バリアが消失し、小腸内で細菌が異常増殖するSIBO(小腸内細菌異常増殖症)を誘発するリスクが指摘されています。
第三の誤解は、「胃腸を休める」という名目で行われる無計画な長期ファスティング(断食)です。絶食期間が長すぎると胆汁酸の濃縮や消化酵素分泌のリズムが破壊され、復食時にごく少量の油分を摂取しただけでも激しい下痢や急性胃炎を引き起こす引き金になり得ます。