中古車がエンドユーザーに届く前、全国の業者間オートオークション(USSやCAAなど)を通過する際、厳しいプロの検査員によって「出品票」が作成されます。この現場で記録される情報こそが、車両の素顔を最も忠実に物語っています。
オークション出品票の修復歴表記を見落とすな
業者オークションでは、車両の総合状態が0点から6点までの評価点で格付けされます。この中で、修復歴車に割り当てられるのが以下の記号です。 * 「R点」:修復歴がある車両全般を示す基本記号。 * 「RA点」:修復歴はあるものの、修理技術が非常に高く軽微な修復にとどまる車両。 * 「A点」「0点」:深刻な事故現状車、またはフレーム全体に致命的な歪みを抱えた低品質車両。 出品票の展開図(車両のイラスト)には、骨格部位ごとに「XX(交換済み)」「W3(明らかな修理跡・波打ち)」「S3(激しいサビ・腐食)」といった専門記号が書き込まれます。一般の店頭プライスカードには「修復歴あり」としか書かれない場合でも、オークション出品票を取り寄せて確認すれば、どの骨格がどの深さまで損傷したのかを一目で判別可能です。
修復歴の告知義務とトラブル事例
自動車公正競争規約施行規則第11条により、中古車販売業者は車両に修復歴がある場合、広告および店頭表示においてその事実を明記する法的な告知義務を負っています。しかし、悪質な事業者によるトラブルは後を絶ちません。 国民生活センターや中古車トラブル相談窓口に寄せられる典型例が、「購入時に『軽い接触事故でバンパーを直しただけ』と説明されたが、他店で下取り査定を出したらピラー修正が入った重度の修復歴車と判明した」というパターンです。 【実際の紛争解決事例】: 2026年、都内の購入者が大手フリマサイト経由の店舗取引で『修復歴なし』とされた輸入車を280万円で購入。納車後すぐに直進時の異音とタイヤの偏摩耗が発生し、第三者機関(JAAI)に査定を依頼したところ、フロアパネルおよびサイドメンバーの接合修理が発覚。売買契約の錯誤無効を訴え、最終的に販売店側が車両代金全額の返金と諸費用の賠償に応じる事態へと発展しました。 契約書面の備考欄に「現状販売」「保証なし」「骨格部点検済み」と曖昧に記載し、口頭では修復歴の核心を濁す手口が存在するため、書面上の明確な「修復歴の有無」の確認を怠ってはなりません。