長年、消費者を混乱させてきた最大の謎が「赤缶」と「緑缶」の存在だ。実は中身のラインナップには明確な違いが存在していた。サクマ製菓株式会社が製造する緑缶(サクマドロップス)の8種は、イチゴ、リンゴ、オレンジ、パイン、レモン、ハッカ、スモモ、そして爽やかな「メロン」である。対して、かつて佐久間製菓株式会社が手がけていた赤缶(サクマ式ドロップス)には、メロンの代わりに濃厚な「チョコ」が入っていた。
この赤缶限定のチョコ味こそ、いまや伝説として語り継がれる幻のフレーバーだ。果汁系の酸味が並ぶなかで、突如として現れるほろ苦くミルキーなカカオの風味は、異彩を放っていた。一方、白く透き通るハッカ味は、子どもたちにとって時に「ハズレ」扱いされることもあったが、舌をリセットする重要なアクセントとして計算され尽くした存在だったのだ。甘味と酸味、そして清涼感の絶妙なバランスこそが、缶全体の完成度を支えている。