アゼライン酸は、小麦や大麦、ライ麦などの穀類や酵母に含まれる天然由来の飽和ジカルボン酸です。皮脂の過剰分泌を抑え、毛穴の角化異常を正常化し、アクネ菌への抗菌作用や抗炎症作用を持つなど、ニキビや酒さに対して多角的なアプローチを誇ります。
それほど優秀な成分でありながら強いヒリヒリ感を引き起こす主因は、アゼライン酸が持つ特有の分子構造と酸性度(pH)にあります。アゼライン酸製剤は、皮膚のpHよりもやや低い酸性領域で作られているため、角層バリアを通過する瞬間に一時的な神経刺激を誘発します。特に肌のバリア機能が低下している乾燥肌や、炎症を起こしているニキビ周辺の皮膚では、浸透時の刺激を「熱感」や「ピリピリ感」として強く知覚しやすいのです。
また、ターンオーバーを促して毛穴詰まりを解消していく初期プロセスにおいて、古くなった角質が剥がれ落ちる段階で軽微な赤みやかゆみを伴うケースも珍しくありません。この違和感は成分が効いている証拠でもあり、肌が慣れるまでの通過儀礼ともいえます。