現代のボートレースにおいて「1コースの強さ」は舟券予想の基礎ですが、ボートレース平和島においてその常識は通用しません。平和島競艇の1コース勝率は例年45%〜47%前後で推移しており、全国24場の中でも戸田や江戸川と並んで最下位争いを演じる常連です。全国平均のイン勝率が約55%〜56%であることを考慮すると、平和島ではいかにイン逃げが崩れやすいかが分かります。
この極端なイン受難を引き起こしている主因は、水面の物理的なレイアウトにあります。平和島は第1ターンマークのホーム側幅が約37メートルと非常に狭く設計されており、ピットからスタートライン、そして1マークにかけてイン艇が斜めに走らざるを得ないコース形状になっています。スタート後に十分な直線距離を確保できないまま窮屈な体勢でターンマークへ突っ込むため、イン艇はスピードを落として小さく回るか、無理に握って大きく外へ流れるかの二者択一を迫られます。
その結果、ターンマークの懐が大きく開き、後続艇に絶好の展開を許してしまいます。トップレーサーであっても「平和島の1コースはスタートで踏み込まないと簡単に呑まれる」と口を揃えるほど、物理的な圧迫感がインの旋回を狂わせる構造的な要因となっています。