合議制の難しさを象徴する歴史的事例として名高いのが、鎌倉時代初期に導入された十三人の合議制です。若くして二代将軍となった源頼家の独裁を牽制し、有力御家人13名による集団指導体制を敷く目的で発足しました。
しかし、この制度は平穏な合意形成をもたらすどころか、苛烈な内部抗争の引き金となりました。各メンバーが自らの勢力拡大や保身を優先した結果、北条氏による他氏排斥が進み、合議体は短期間で瓦解することになります。
この歴史的教訓が示しているのは、構成員同士の利害関係が対立している場合、合議制は公正な調整弁ではなく「権力闘争の舞台」へと容易に変貌するという現実です。理念だけで制度を導入しても、構成員のインセンティブ設計や共通目標が共有されていなければ、組織の自滅を招く危険性があります。