かつては肩の前面を大きくメスで切り拓く手術が主流だったが、現在のスタンダードは極めて低侵襲な「関節鏡下バンカート修復術」だ。数ミリ程度の小さなポータル(孔)からハイビジョン関節鏡と専用の極小器具を挿入し、剥がれた関節唇を元の骨へと縫合・再固定する。
2026年現在の関節鏡手術は、インプラント技術と縫合マテリアルの目覚ましい進化によって、過去とは比較にならない固定力と生体親和性を誇る。骨に打ち込むアンカーは金属製から体内で徐々に骨へと置換される生体吸収性素材や、強靭な繊維のみで構成されたオールスーチャーアンカーが主流となり、術後の骨融解リスクや感染リスクを極限まで低減させている。
さらに、骨欠損が大きい重症例に対しても、関節鏡下で腱を関節窩の欠損部に移行・充填する「ランパールサージュ法(Remplissage)」を併用するなど、骨移植を回避しつつ強固な安定性を獲得するハイブリッド術式が確立された。患者の体にかかる侵襲を最小限に抑えつつ、再断裂率を劇的に引き下げる手術設計が可能となっている。