かつての新宿は、東口の歌舞伎町・三丁目エリアと、西口の高層ビル街・都庁エリアが線路によって分断されていた。しかし、歩行者デッキと地下通路の大規模拡張、そして駅直結の最新複合タワー群の全面開業によって、東西の回遊性が飛躍的に向上した。この都市構造の変化が、カフェのロケーション戦略にも決定的な地殻変動をもたらしている。
これまで「西口=オフィス需要のビジネスマン向け」「東口=若者や旅行者の買い出しスポット」という明確な色分けが存在していた。だが現在は、東西を繋ぐデッキの中継点に、開放感のある半屋外テラスを併設したサードウェーブ・スタンドが続々と誕生している。人の流れが淀みなく循環するようになった結果、時間帯を問わず質の高いコーヒーを手に歩く人々の姿が日常の風景となった。