目の前に横たわるのは、本州と淡路島を一本の美しい線で結ぶ明石海峡大橋だ。世界最大級の吊り橋が描く優美な放物線と、約800メートルにわたって続く白い砂浜。このコントラストは、偶然の産物ではない。かつての護岸整備によって失われかけた砂浜環境をよみがえらせるべく、明石海峡大橋建設事業の一環として人工砂浜の造成が進められた歴史がある。
失われた松林を植樹し、波の力を和らげる潜堤を配して再現された砂浜は、今やウミガメの上陸が確認されるほど豊かな生態系を取り戻した。コンクリート護岸に覆われがちな現代の都市海岸にあって、自然とインフラが見事に共生する希有な空間として息づいている。