エンブレム、ドアバイザー、リアスポイラーといった外装パーツを取り外す際は、熱とテグスを組み合わせたテクニックが業界標準です。以下のステップに沿って進めることで、塗装への負荷を最小限に抑えられます。
ステップ1:周辺の養生と洗浄
作業箇所の周囲に砂埃や泥が付着していると、作業中の摩擦でボディに微細な擦り傷が入ります。まずはカーシャンプーで綺麗に洗い流し、水分を拭き取った後、パーツの周囲3〜5cm四方をマスキングテープで二重に保護します。
ステップ2:ドライヤーで粘着面をじっくり加温する
粘着剤は温度が上がると分子の結束が緩み、劇的に柔らかくなります。家庭用ドライヤーをパーツから10〜15cmほど離した位置から当て、手で触れて「お風呂のお湯(40〜50度前後)より少し温かい」と感じる程度まで均一に温めます。※ヒートガンを使用する場合は熱量が高すぎるため、塗装焼けやバンパー変形を起こさないよう細心の注意を払ってください。
ステップ3:釣り糸(テグス)を隙間に滑り込ませて切断する
30cm程度に切った釣り糸の両端を指や割り箸に巻きつけ、パーツとボディの隙間に滑り込ませます。このとき、糸をボディ側に押し付けるのではなく、パーツ側に沿わせるような角度を保ちながら、左右にノコギリを引くようにゆっくりスライドさせます。滑りが悪い場合は、隙間に薄めた台所用中性洗剤やシリコンスプレーを少量吹き付けると、驚くほど滑らかに刃が入っていきます。