一方で、モノを捨てる行為そのものが目的化してしまう「捨てハイ」と呼ばれる中毒状態には警戒が必要だ。家族が大切にしている私物を勝手に処分して修復不可能な関係悪化を招いたり、必要な生活必需品まで捨てて買い直す羽目になったりするトラブルは後を絶たない。整った空間は心地よいが、暮らしやすさを犠牲にしてまで削ぎ落とすのは本末転倒だ。
また、モノを手放す受け皿となるリユース・不用品回収業界もここ数年で劇的な進化を遂げている。ただ廃棄物として捨てるのではなく、フリマアプリでの二次流通や、専門の買取業者による海外輸出など、モノの命を次の誰かへと循環させるエコシステムが高度に確立された。「捨てるのは罪悪感があるが、誰かの役に立つなら手放せる」という心理的ハードルの低下が、不要品の円滑な手放しを力強く後押ししている。