大阪府守口市といえば、大手家電メーカーの拠点として、あるいは大阪市に隣接するベッドタウンとして知られる。しかし、この土地の風俗史・歓楽街産業における歴史的意義を見過ごすことはできない。大正から昭和初期にかけて、都市の拡張と交通網の整備に伴い、大阪市内に集中していた遊興の場は郊外へと広がっていった。
守口周辺は、かつて京街道の宿場町として栄えた歴史的土壌があった。旅人が行き交い、憩いを求めた場所に、やがて歓楽街産業の萌芽が生まれたのは自然な流れだったのかもしれない。近代以降、都市計画や取り締まりの波を受けながらも、街はその形を変え、人々の欲求と時代の要請に応じる形で命脈を保ってきた。