公務員が死亡した際、すべてが無条件で殉職扱いになるわけではありません。殉職と認められるためには、所属組織ごとに厳格な認定基準が存在します。
警察官の場合、地方公務員災害補償基金などの審査を経て、職務執行と死亡との間に明白な因果関係が認められる必要があります。具体的には以下のようなケースが典型例です。
- 凶悪犯の追跡・逮捕制圧時における被襲撃
- パトロールや交通取り締まり中の交通事故被害
- 台風・豪雨・地震などの自然災害現場における住民避難誘導・救助中の被災
- 山岳遭難救助や水難救助活動中の二次災害
消防士においても同様に、激しい火炎と煙が充満する火災現場への突入、倒壊家屋での捜索活動、水難救助時の激流への潜水など、生命の危機を伴う現場活動中の受傷や死亡が対象となります。平時の訓練中であっても、極めて過酷かつ実戦的な訓練に伴う事故死であれば公務災害として認定される枠組みです。
近年は防刃ベストや耐熱防火服の高性能化、安全管理プロトコルの刷新が進んだことで、かつてに比べると年間の殉職者数は大幅に抑制されています。警察庁の最新統計においても、年間の殉職者数は全国で数名程度(年によってはゼロ件から数件)で推移していますが、突発的な凶悪事件や激甚化する自然災害の現場では、常に命懸けの対応が続いているのが現実です。