プラスチック製の保存容器や一般的なランチボックスで冷めたご飯を食べるとき、表面が固くなったり、逆に蒸気で水滴が落ちてベチャついたりした経験は誰にでもあるはずです。曲げわっぱ弁当箱が支持される最大の理由は、木が呼吸を続けることで生み出される卓越した調湿性能にあります。
秋田県の代表的な工芸である大館曲げわっぱをはじめとする良質な曲げわっぱには、主に天然の秋田杉やヒノキが使われています。炊き立ての温かいご飯をそのまま詰めても、天然木の内壁が余分な蒸気を適度に吸収し、ご飯が冷めるにつれて今度は水分を適度に放出して乾燥を防ぎます。水分バランスが一定に保たれる結果、デンプンの老化(パサつき)が抑えられ、冷めてもモチモチとした甘みのある食感がそのまま残る仕組みです。
さらに見逃せないのが、天然杉に含まれるポリフェノールや精油成分(シダーウッド系成分)による天然の抗菌・防腐効果です。雑菌の繁殖を抑える作用があるため、気温が上がる春夏の持ち歩きでも傷みにくく、安心して美味しいお弁当を楽しめます。