プリツカー賞受賞建築家である妹島和世氏のキャリアにおいて、個人名義の妹島和世 代表作 住宅として真っ先に名前が挙がるのが、2003年に竣工した「梅林の家」です。金沢21世紀美術館をはじめとする世界的プロジェクトと並行して設計された本作は、住宅建築のスケールにおいて空間の概念を根本から再定義しました。
一般的な住宅設計では、柱や梁の寸法、耐力壁の厚みによって空間の自由度が縛られます。しかし、梅林の家では構造設計家・佐々木睦朗氏との協働により、厚みを感じさせないシャープな境界線を生み出しました。建築メディアや専門誌に掲載された梅林の家 写真を見た世界の建築家たちは、「図面上の抽象的な線がそのまま現実の空間になっている」と息を呑んだのです。
建物の輪郭だけでなく、家族が暮らす内部の居場所すらも極限まで純化されたこの建築は、日本国内にとどまらず海外の建築アワードでも極めて高い評価を獲得しました。