彼女のキャリアの頂点として語り継がれるのが、米ケーブルテレビ局の最高峰HBOが威信をかけて制作した海外テレビドラマ『ボードウォーク・エンパイア 欲望の街』だ。マーティン・スコセッシが第1話の監督を務め、スティーヴ・ブシェミら実力派が揃ったこの重厚なクライム・サスペンスで、彼女は主人公ナッキー・トンプソンの愛人ルーシー・ダンジガー役に抜擢された。
禁酒法時代の享楽と狂気をそのまま具現化したような彼女の怪演は、批評家から絶賛を浴び、作品はエミー賞やゴールデングローブ賞を席巻。名実ともにトップスターの座を掴んだかに見えた。しかし、第2シーズンの終了とともに、彼女の役柄は唐突に物語から姿を消すことになる。
当時、現場での突発的な振る舞いやトラブルが降板の理由として報じられ、メディアは彼女を「気まぐれで扱いにくい女優」として仕立て上げた。だが、その華やかなスクリーンの裏側で、彼女がどのような孤立と重圧に苛まれていたのかを深く掘り下げる者はいなかった。