日本の職人たちが作るケーキは、海外のそれとは一線を画す繊細さを持っている。海外では鮮やかな青やピンクのスポンジ生地が主流であるのに対し、国内で人気を集めるのは、カットした瞬間に中から溢れ出すフルーツや特製クリーム、カラフルなドラジェ(砂糖菓子)だ。
「ナイフを入れた瞬間の、あっと驚く表情と歓声をいかに引き出すか。そこがパティシエとしての腕の見せ所です」。都内の人気洋菓子店でシェフを務める人物はそう語る。例えば、男の子ならブルーベリーと国産シャインマスカット、女の子なら苺とラズベリーの濃厚なコンフィチュール。見た目の美しさだけでなく、ナイフを滑らせたときの感触や、カットした断面の「萌え断」としての美しさにまでこだわるのが、日本市場ならではの特長と言える。