中山美保の真骨頂といえば、毛皮のコートや派手な宝石を身にまとい、ツンとすました表情で舞台に登場する「マダム役」です。上品ぶった立ち居振る舞いから、突如として放たれる鋭利なツッコミや、自虐を交えたボケの破壊力は抜群でした。
舞台上での代表的なやり取りやフレーズには、以下のようなお約束の展開がありました。
共演者が彼女の派手な装飾品をいじると、「ちょっとアンタ、これ本物よ!」と高圧的に返しながらも、次の瞬間には吉本特有の激しいズッコケを見せるギャップ。あるいは、桑原和男の「おばあちゃん役」や池乃めだかの「ちっさいおっさん」との小競り合いで見せる、容赦のない毒舌混じりの掛け合いは劇場の名物でした。
気品を崩さずに笑いを取る高等技術は、確かな演技力と喜劇への深い理解があったからこそ成立した至芸であり、現在も多くの女性座員がお手本としてリスペクトを捧げています。