強い日差しと埃から身を守り、サバンナの猛獣から身を守る威嚇の意味を持つのが、鮮やかな格子柄の伝統布「シュッカ(Shuka)」です。赤を基調とした鮮烈な色合いはマサイ族のアイデンティティであり、現代でも都市部へ出かける際を含め日常的に着用されています。
一方で、食文化には大きな変化が生じています。かつては牛の生乳、生血、肉のみを摂取し、農作物をほとんど口にしない独自の食生活が知られていました。しかし気候変動に伴う干ばつや放牧地の減少に伴い、現在の主食はトウモロコシの粉をお湯で練り上げた「ウガリ」や豆料理へと変化しています。
甘いミルクティー「チャイ」を好む傾向も強く、炭水化物主体の食事へとシフトしたことで、かつて極めて低かった肥満や糖尿病などの生活習慣病が一部で課題になりつつあります。平均寿命はかつての40〜50代から、基礎医療へのアクセス向上によって徐々に延びているのが現状です。