選手たちが命がけで奪い合う「一軍の椅子」には、極めて厳格な定員が定められています。NPBの規約において、チームが同時に出場選手登録できる人数と、その日にユニフォームを着てベンチに入ることのできる人数には明確な差異が存在します。
2026年シーズンにおける基本的な出場選手登録枠は最大31名、そのうち当日の試合に出場可能なベンチ入り人数は26名です。残りの5名は「上がり」と呼ばれる登板直後の先発投手や、その日の休養に充てられる選手たちです。この限られた枠の中で、監督は捕手3人制を敷くのか、代走スペシャリストを置くのか、中継ぎを7枚にするのかといった極限のパズルを解き続けなければなりません。
ここで重要なのが「登録抹消後の再登録日数」の厳守です。一度抹消されると、原則として抹消日の翌日から数えて10日間が経過するまで一軍に復帰することはできません。どんなにチームが連敗しようと、主力打者が肉離れを起こそうと、抹消から7日目の選手を呼び戻すことは野球協約上絶対に不可能です。この「10日間の拘束」があるからこそ、監督は抹消のハンコを押す際、極限の慎重さを要求されることになります。