平面のイラストに豊かなボリューム感を与えるヒントは、立体造形の現場にある。日本を代表する恐竜造形作家・荒木一成氏の手がけるモデルを見つめると、筋肉の起伏や骨の突起が、まるで生きているかのようなリズムを持って連なっていることに気付かされる。
二次元のドローイングであっても、立体的な「厚み」を意識した線画は強い引力を持つ。平坦な円を描くのではなく、球体として捉えること。首のシワや腹部のたるみに重力の影響を描き加えること。彫刻家が粘土を盛るように紙の上に線を重ねていく感覚を身につければ、極めてシンプルな線画であっても、見る者にずっしりとした重量感を伝えることができる。