藤村さんを語るうえで欠かせないのが「おヒョイさん」という愛称です。このユニークな呼び名は、若い頃の立ち居振る舞いに由来しています。
仕事場や酒席にひょうひょうとした足取りでふらりと現れ、周囲を楽しませたかと思うと、いつの間にか「ひょい」といなくなってしまう――そのスマートで執着のない姿を見た周囲の仲間たちが、自然と親しみを込めてそう呼び始めたのがきっかけでした。
プライベートでは波乱もありました。最初の結婚で長男の亜実さんらをもうけ、のちに離婚。その後、再婚した妻や子どもたちに支えられながら、家庭人としても深い絆を築いていきました。特に晩年は、長男・亜実さんが仕事のマネジメントから療養のサポートまで全面的に支え、父のダンディズムを最後まで守り抜く盾となりました。