地球上のリチウム資源は均等に分布しているわけではない。南米のチリ、アルゼンチン、ボリビアの国境付近に広がる塩湖地帯は「リチウム三角地帯」と呼ばれ、世界の大半の埋蔵量が集中する資源の聖地となっている。広大な塩湖から地下水を汲み上げ、天日乾燥によってリチウム塩を濃縮する生産方式は、コスト競争力に優れる一方で、深刻な水資源の枯渇や環境負荷という地域社会との摩擦を抱えている。
このリチウム三角地帯などで巨大な権益を保持し、市場を主導するのが米化学大手アルベマールなどの資源メジャーだ。同社をはじめとする主要プレイヤーは、環境配慮型採掘技術の導入を急ぎつつ、採掘権の獲得合戦を展開している。しかし、南米各国の「リチウム資源国有化」の動きや環境規制の強化は、グローバルな電池メーカーにとって供給の地政学的リスクとして重くのしかかる。