作中で発動した人類補完計画は、全人類の肉体を溶かしてLCLの海へと還元し、魂をひとつに融合させることで、他者との摩擦や孤独、心の痛みを根絶しようとする試みでした。巨大化した綾波レイ(リリス)の手の中で、シンジは「自分を傷つける他者がいない完全な世界」を一度は望みます。
しかし、母・碇ユイとの対話や自身の内省を経て、シンジは「誰もが一つになった世界では自分自身を認識できない」と気づきます。傷つけ合い、すれ違い、裏切られる恐怖があったとしても、他者の形があり、自分と他者が明確に分かれている世界をシンジは再選択しました。この決断によってサードインパクトは収束し、まごころを君ににおける人類補完計画の結末は、「生きたいと願う者は誰でも人間の姿に戻れる」という条件を残して幕を閉じました。