専門店の醍醐味を味わい尽くすなら、前菜から締めまで鴨尽くしで構成されたコースメニューが最適です。一般的なコースでは、低温調理した「鴨わさ」や自家製レバーパテから始まり、炭火焼き、メインの鍋料理、そして鴨出汁を使った雑炊や手打ち蕎麦へと美しく展開していきます。
なかでも通を唸らせるのが、特製の鉄鍋で焼き付ける「鴨すき焼き」です。鴨すき焼きを最高においしく味わうには、明確な手順があります。
まずは鍋に鴨の皮脂をじっくりと引いて脂を出し、その脂でたっぷりの太葱を焦げ目がつくまで焼きます。葱の甘みが引き出されたところで割り下を注ぎ、薄切りの鴨ロースを投入。肉の色が淡いピンク色に変わった絶妙のタイミング(火入れ時間にしてわずか10〜15秒程度)で引き上げ、溶き卵や大根おろしを添えていただきます。火を通しすぎないことこそが、鴨肉のしなやかな食感と芳醇な肉汁を損なわない最大の秘訣です。