豊臣秀吉を祀る神社を巡る際、多くの人が最初に直面するのが神社名の呼び名です。一般的に「豊国神社」あるいは旧字体の「豊國神社」と表記されますが、その読み方は神社ごとに「ほうこくじんじゃ」と「とよくにじんじゃ」の双方が存在しています。
秀吉が慶長3年(1598年)に伏見城で没した際、朝廷から贈られた神号は「豊国大明神(とよくにだいみょうじん)」でした。この神号に由来するため、古くからの伝統的な読みとしては「とよくに」が広く知られています。一方で、明治時代に再興された近代社格制度のもとでは音読みの「ほうこく」が正式な社号呼称として定着した地域が多く、現在では以下のように地域や神社ごとの個性となっています。
大阪城本丸の南隣に鎮座する社殿は「豊國神社(ほうこくじんじゃ)」、名古屋市中村公園の社も「豊国神社(ほうこくじんじゃ)」と呼称されるのが一般的です。一方で京都の社は「ほうこく」と「とよくに」のどちらで呼んでも地元で親しまれています。神社の名称や表記に地域ごとの歴史的背景が色濃く反映されている点も、秀吉信仰の奥深い魅力です。