制作にあたって最大の障壁となったのは、公的機関との交渉だった。公営住宅を管轄するロサンゼルス住宅局(HACLA)と、長年にわたり地域の治安維持を担ってきたロサンゼルス市警察(LAPD)の両組織に対し、取材チームは数年間に及ぶ粘り強いアプローチを敢行。その結果、過去に例を見ないレベルの全面協力と情報開示を取り付けることに成功した。
未公開の捜査資料やボディカメラの映像、さらには住宅局が保持していた未公開の地域開発記録が次々と解禁された。行政と警察、そして住民という三者の視点が複雑に交錯することで、これまで表舞台に出ることのなかった歴史的背景と構造的課題が、逃げ場のないリアリティをもってスクリーンに映し出される。