一般的な流しそうめんといえば、半割りにした青竹を斜めに渡し、上流から流れてくる麺をすくい取るスタイルを想像する人が大半でしょう。しかし、苗名滝苑で目にするのはまったく異なる光景です。各テーブルの中央に設置された丸いクリアケースの中で、そうめんが勢いよく渦を巻くように旋回しています。
この「回転式流しそうめん」は、特許を取得した独自の水流循環システムによって稼働しています。テーブル中央の円形水槽に対し、絶妙な角度と水圧で冷水が噴出するノズルが設計されており、モーターと水流力学の組み合わせによって途切れることのない安定した旋回流を生み出しているのです。
この仕組みがもたらす実用的なメリットは計り知れません。竹樋タイプでは「上流に座った人が麺を独占してしまい、下流の人が食べられない」「席順によって不公平が生じる」「左利きの人がすくいづらい」といった構造的欠陥がつきまといます。対して円形回転式は、テーブルを囲む全員が等しい距離から、自分のペースで好きなタイミングですくい上げることが可能です。
さらに、常に水が激しく循環しているため麺がダマにならず、清冽な冷たさが最後の一口まで持続します。小さな子どもでも簡単にフォークや箸でキャッチできるエンターテインメント性と、優れた機能性が高次元で融合した、まさに現地ならではの発明と言えます。