現地のランキングを賑わせている製品の主成分は、大きく分けて「イチョウ葉エキス(Chiết xuất bạch quả)」と「オメガ3脂肪酸(DHA・EPA)」の2系統に集約されます。これらの成分に対して、現代の生化学および臨床試験はどのような評価を下しているのでしょうか。
まず、イチョウ葉エキス効果の真相について検証します。イチョウの葉に含まれる「イチョウ葉フラボノイド配糖体」および「イチョウ葉テルペンラクトン」は、微小循環系における血管拡張作用や血小板凝集抑制作用を持つことが知られています。欧州(ドイツやフランスなど)では規格化されたエキス(EGb761)が医薬品として軽度認知機能障害の改善に用いられてきた歴史があります。日本国内の機能性表示食品制度においても、「中高年者の認知機能の一部である記憶力(見たり聞いたりした情報を覚え出し、思い出す力)を維持する」旨の表示が届出されています。しかし、これは「衰え始めた記憶の維持」を指すものであり、健康な若年層が摂取してIQが急上昇したり、アルツハイマー型認知症が劇的に寛解したりすることを示す脳サプリ成分の科学的根拠は確認されていません。
次に、DHA・EPAサプリの記憶維持効果です。脳のリン脂質中には高濃度のDHAが存在しており、神経細胞膜の流動性を維持し、シナプス伝達の円滑化に関与していることは生理学的な定説です。消費者庁に届け出されている臨床試験データやシステマティック・レビューによれば、DHA・EPAを1日あたり400mg〜1000mg程度継続摂取することで、中高年の空間認識力や作業記憶の維持に寄与することが示されています。しかしながら、血中中性脂肪の低下作用と混同され、あたかも「即座に頭の回転が速くなる」かのように誤認されるケースが後を絶ちません。オメガ3脂肪酸の恩恵を享受するには、数ヶ月単位の継続的な摂取とバランスの取れた食生活が絶対条件となります。