石川の歴史を振り返るとき、石川県高校サッカー歴代優勝校の記録はそのまま県内サッカーの発展史となります。かつて昭和から平成初期にかけては、金沢桜丘高校などの公立勢が全国大会で存在感を示した時期もありました。しかし、1990年代以降、指導体制のプロ化と全国水準の強化を推し進めた星稜が圧倒的な強さを誇示し、選手権予選において前人未到の連覇記録を樹立するに至ります。
風向きが変わり始めたのは、2016年の第95回全国高校サッカー選手権石川県予選でした。決勝で鵬学園が星稜をPK戦の末に破り、初出場を果たした瞬間、県内のサッカー少年たちに「星稜以外でも全国へ行ける」という強烈なパラダイムシフトが起きたのです。さらに令和に入ってからも鵬学園は再び選手権の切符を勝ち取り、フロックではない実力を証明しました。
近年の石川県高校総体サッカー結果や石川県高校サッカー新人戦のアーカイブを見ても、優勝旗がひとつの学校に留まり続けることはなくなりました。トーナメントごとに王者が入れ替わるタフな環境が、選手一人ひとりのメンタリティを鍛え上げ、県代表が全国大会の初戦で敗退することの少ない、高いアベレージの競技レベルを維持させています。